in the mist -Rokko Meets Art 2019-

Material : camphor wood, silk thread #50, UV LED light, LED light, plywood

六甲山には霧がよく出る。そこで、今回の作品では霧の中で出現する特殊な大気光学現象であるブロッケン現象をイメージした。
限りなく中空で朧げな木彫の小さな人型と対比して光輪(グローリー)として暗闇の中から像が浮かび上がる。
どちらも実体を持たない存在として仏教の空性と量子力学の不確定性原理の融合も含意する。
この像は、直径わずか0.2mmほどの絹糸をピンセットで一本ずつ結んで編まれたものである。
絹糸はもちろん、近代化した神戸港での重要な輸出品であり、また、明治期に六甲山の近代的開発に先鞭を告げたA.H.グルームも生糸の輸出と深い関係を持っていた。
これらの歴史的背景を鑑み、絹糸を六甲山での展示において重要なファクターとして使用する。

この絹糸を編んで制作する技法は、二進法のアルゴリズムで全てを現場で組み上げなければならない。
二進法の計算方法は、現在のコンピューターの基本的な計算方法で、AI(アーティフィシャル・インテリジェンス)にも使用されている。